in situハイブリダイゼイションによりヒトパピローマウイルスゲノムが陽性であった肛囲Bowen病と子宮頸部扁平上皮癌の合併例
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概要
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症例は61歳の女性.1993年九州大学医学部付属病院産婦人科で子宮頸癌stage IIbの診断のもと手術および放射線照射を受け完治していた.1992年頃に肛囲に疣状の結節が出現,一度外科で切除されたが,創部が糜爛し治癒せず次第に拡大してきたため,1996年4月九州大学医学部付属病院皮膚科を受診した.初診時,肛囲から臀裂部にかけて紅色から白色の糜爛面が認められ,周囲に部分的に色素沈着を伴っていた.生検によりBowen病と診断し,根治的に切除・植皮術を施行した.子宮頸癌,および肛囲Bowen病の組織標本を用いてヒトパピローマウイルス(HPV)の検索を行ったところ,in situハイブリダイゼイションにより両組織よりHPV-DNAが検出され,いずれもHPV16/18型であった.シグナルは両組織とも腫瘍の上層の核に限局して認められた.子宮頸癌の浸潤部,リンパ節転移部の標本ではHPV-DNAは陰性であった.同じ型のウイルスが検出されたことから,両病変部の発生要因としてHPVの関与が考えられた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
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