イトラコナゾールによる爪白癬のパルス療法―2投与法の比較検討―
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概要
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イトラコナゾールによる爪白癬のパルス療法において,より有効な投与法を検討するため,当科を受診した爪白癬患者38例を無作為に2群に分けた.Ⅰ群:16例,100mg/日を1週間継続して1週間休薬することを反復.Ⅱ群:22例,200mg/日を1週間継続して3週間休薬することを反復.24週後の効果判定では,Ⅰ群は評価対象症例8例中,著効4,有効2,無効2で,著効50%,有効以上75%.Ⅱ群は評価対象症例10例中,著効7,有効3で、著効70%,有効以上100%.副作用および臨床検査値異常は評価対象症例中にはみられなかった.24週間の総投与量は,両群とも100mg/日を連日投与した場合の1/2であるが,24週時点での臨床効果は,両群とも連日投与の場合と同等かそれ以上であり,Ⅰ群に比して,Ⅱ群の方が,有効率のみならず著効率も上回っていた.ただし,無効例を除き,完治するまでパルス療法を継続した結果,最初の混濁比が同じと仮定した場合の治癒に要する期間は両群ともほぼ同じであり,また,混濁比の改善速度は両群とも24週以降はそれ以前に比して急激に低下していた.現時点では,Ⅱ群の投与法が爪白癬には最適と考えられた.
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公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
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