象皮病(Elephantiasis nostras)の3例―その発症における考察―
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概要
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Elephantiasis nostras(E. nostras)は,非フィラリア性象皮病のうちクロモミコーシス以外の病因で起こるものとされる.最近3例のE. nostrasを経験した.症例1:62歳男性,幼少時より歩行不能で,下肢の運動制限,再発する蜂窩織炎があり,2年前より下肢に悪臭あった.症例2:35歳男性,知的障害あり.肥満と仙骨部の巨大な褥瘡を伴い,下肢の運動不全と悪臭あり.症例3:45歳女性,手術後に左下肢の浮腫と乳糜尿を生じた.治療は,圧迫も有効であるが,原因である感染,リンパうっ滞の解消を計ることが第一であり,症例3では経皮的リンパ管硬化療法を試み,奏効した.E. nostrasは,発症条件としてリンパうっ滞があり,これに患者の生活環境,日常生活における体位,運動制限などの因子が加わって炎症性肉芽腫性病変が形成されるものと考えられた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
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