B16マウスメラノーマ培養細胞の樹状突起形成に及ぼす諸因子の影響
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概要
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B16マウスメラノーマ培養細胞(B16F1細胞)の分化の指標の一つである樹状突起形成は,継代回数の増加,無血清培養,既知の樹状突起形成促進物質のα‐メラノサイト刺激ホルモン(α‐MSH),エンドセリン‐1及びテオフィリンにより促進された.α‐MSHの本促進作用は,10~100nMではエンドセリン-1より強かった.また,継代回数が多い(樹状突起形成能の高い)細胞の培養上清及び抽出物(細胞ホモジネートの12,000g遠心分離上清)は,継代回数が少ない(樹状突起形成能の低い)細胞の樹状突起形成を促進した.さらに,継代回数の増加,上記抽出物及びα‐MSHは,何れも本細胞のメラニン生成を亢進したが,エンドセリン-1はこれに影響を及ぼさなかった.以上の結果より,B16F1細胞はオートクリンに作用する樹状突起形成促進因子を産生し,継代回数が増加した場合,本因子の産生亢進により樹状突起形成、メラニンの生成及び分泌が促進され,分化が誘導されたものと示唆された.
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公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
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