ステロイド外用時期によるUVB照射後色素沈着抑制効果の相違の定量的検討
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概要
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強力なステロイドを紫外線B(UVB)照射後に外用すれば紅斑のみならず色素沈着も抑制することが知られている.ステロイドをUVB照射前後に時期を変えて外用すれば色素沈着の程度がどのように変化するかを調べるため,スキンタイプⅢの健康成人男性8名を被験者とし,プロピオン酸クロベタゾールをUVB照射(2MED量)の12時間前,直後,9時間後,24時間後,48時間後に3時間ずつ密封法で外用し,ビデオマイクロスコープおよびコンピュータによる画像解析を用いて1週間後の色素沈着の程度を定量的に検討した.その結果,いずれの場合も基剤塗布部に比べ有意に色素沈着を抑制したが,照射直後の外用で抑制効果が最大で,色素沈着は平均46%に抑制された.また,9時間後と12時間前がこれに次ぎ,48時間後が最小であった.一方,同類の経皮吸収経過を知る目的で同外用法で蒼白反応を経時的に定量したところ,蒼白化は外用後3~24時間で認められ,6~15時間で最大であった.以上の結果から,ステロイドによる色素沈着の抑制は照射後比較的はやい時間帯に表皮細胞から分泌あるいは放出されるサイトカインやケミカルメディエーターを介していることが示唆された.
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公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
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