有練絹胞癌におけるp53蛋白の発現とp53遺伝子変異の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
有棘細胞癌31症例のp53蛋白の発現につき免疫組織化学的に検討するとともに,同一症例のパラフィン切片を用いたオートシークエンサーによるPCR-FSSCP解析を行い,p53遺伝子のエクソン5,6,7,8の変異の有無を検討した.その結果,31例中29例(94%)にp53蛋白の過剰発現を認め,p53遺伝子の変異は31例中13例(42%)にエクソン5~8の何れかの変異が観察された.p53蛋白の過剰発現とp53遺伝子変異ともに陽性の症例は13例であり,陰性の症例は2例存在した.一方,p53蛋白の過剰発現をみながらも,変異が観察されなかった症例は16例存在し,p53蛋白の過剰発現は,必ずしも全てがp53遺伝子のエクソン部分の変異を意味しない.その要因として解析を行ったエクソン5~8以外の他のエクソンの変異の可能性,あるいは正常型p53の過剰発現の可能性もあり興味が持たれた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
- 菌状息肉症の腫瘤性病変に対し,電子線を単回照射した1例
- ロドデノール誘発性脱色素斑医療者(皮膚科医)向けの診療の手引き
- 3.内臓悪性腫瘍のデルマドローム
- 廣根孝衞名誉教授追悼
- 乳房外Paget病とシアル酸