尋常性乾癬におけるPASIスコアの改善率と末梢リンパ球のシクロスポリン感受性(IC50)の相関性についての検討
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概要
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尋常性乾癬に対する免疫抑制剤であるシクロスポリン(CYA)の有効性は,すでに認められている.その投与の指標としては,血中のCYA濃度であるトラフレベルが用いられている.しかし,トラフレベルがほぼ同一であっても,治療効果が患者により異なることも周知である.この様な臨床効果の差について,腎移植の分野では,CYAが主にリンパ球に作用することに着目して,in vitroでのリンパ球のCYAに対する感受性(IC50)を測定し,臨床効果との相関について検討を行っている.尋常性乾癬の病因は明らかとなっていないが,免疫学的要因が病態に関与していることも知られている.そこで我々は,尋常性乾癬患者におけるCYAのリンパ球の感受性が,治療に応用できないかと考え,CYA投与前後のIC50とPASIスコア(psoriasis area and severity index)の改善率について検討を行った.今回の検討では,IC50とPASIスコアの改善率に相関関係(r=-0.69,p<0.05)が認められたため,CYAの尋常性乾癬に対する治療効果は,患者個々の持つリンパ球の感受性も関与していると推察した.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
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