女性痤瘡患者における月経周期別血中ホルモン動態の検討
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概要
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17歳から34歳までの女性痤瘡患者60例と同年齢分布の対照健常女性11例について,同一周期内の卵胞期,黄体期の2回採血により,月経周期別に血中luteinizing hormone(LH),follicule stimulating hormone(FSH),estradiol(E2),progesterone(P4),prolactin(PRL),testosterone(T),androstenedione(■4A),dihydrotestosterone(DHT),dehydoepiandrosterone sulfate(DHEA-S)を測定し,本症と血中ホルモンとの関係について検討した.健常群との比較において痤瘡群の血中LH,FSH,E2,P4,PRL,T,■4A値は有意差を認めなかったが,血中DHT,DHEA-S値は卵胞期,黄体期ともに有意の高値(p<0.001)を示した.また痤瘡群における卵胞期と黄体期の血中アンドロゲン値の比較においては,血中T,■4A,DHEA-S値は有意差を認めなかったが,卵胞期DHTは黄体期に比し有意ある高値(p<0.02)を認めた.以上より痤瘡と血中アンドロゲン値の密接な関係が示唆されるとともに,女性痤瘡患者において毛包脂腺系での5α-reductionの亢進の可能性と痤瘡病態における副腎性アンドロゲンの重要性が示唆された.また月経前増悪発症機序を血中アンドロゲンレベルのみより説明することは困難であると推測された.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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