ダイズ作付け期間中の深さ別土壌水分量の変化による地下水位制御システム(FOEAS)の機能評価
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概要
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近年,普及が加速度的に進む地下水位制御システム(FOEAS)は,暗渠に地下灌漑機能と地下水位調節機能を付加することで,湿害と干ばつ害の両方に対応したシステムである.本研究では,FOEASの排水機能と給水機能を評価するために,2011,2012年ダイズ作付け期間中に,FOEAS区(設定水位-30cm)と対照区(FOEASは設置するが,入水を止め,水位制御器を取り外す)の深さ別の土壌水分量を,圃場全体をカバーするように継続測定し,変動を解析した.その結果,平年並み以上の降雨であった2か年のうち,2011年には両区の土壌水分量に差はなかったが,2012年には20cm以深でFOEAS区の方が高かった.また両年両区とも良好な排水性を示した.これは,FOEASの補助孔(弾丸暗渠)のためであると判断された.また,給水機能が発揮されたことも確認されたが,FOEASによる水分制御のダイズ増収効果は確認されなかった.
- 公益社団法人 農業農村工学会の論文
著者
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松森 堅治
(独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター
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奥野 林太郎
(独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター
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竹田 博之
(独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター
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望月 秀俊
(独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター
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亀井 雅浩
(独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター