骨盤回旋位での股関節屈曲運動における筋活動の性差
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概要
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本研究の目的は,異なる骨盤回旋位置における股関節屈曲運動の筋活動を調査し,性別による差を検討することである.対象は健常成人15 例30 肢(男性5 例10 肢,女性10 例20 肢)(平均年齢28.8±7.1 歳),運動課題は仰臥位で膝関節90° 屈曲位にて床面と垂直に股関節を屈曲することである.条件は骨盤正中位,検肢側5 度回旋位,反対側5 度回旋位の3 つであり,大腿筋膜張筋(TFL),大腿直筋(RF),大腿二頭筋(BF),半腱様筋(ST),両側内腹斜筋(OI)の筋活動値を表面筋電図計で計測した.骨盤正中位での活動値を基準とし,骨盤回旋位の値を百分率で算出した.男性の各筋活動値は,正中位と回旋位で有意差は認められなかった.一方,女性では反対側回旋位におけるTFLが111.2%と有意に高かった(p<0.05).また,対側OIは検肢側,反対側回旋位ともに有意に高く活動(検肢側回旋:117.5%,反対側回旋:109.8%)した(p<0.05).女性は男性に比べ骨盤横径が大きく,骨盤にかかるモーメントが強くなるため,骨盤を安定化させる対側OIが等尺性に緊張したと推察される.女性の股関節屈曲筋訓練では骨盤回旋による影響に配慮する必要がある.
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