メトトレキサート誘発性消化管障害における好中球浸潤の関与
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概要
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【目的】メトトレキサート(MTX)による消化管での粘膜炎は,MTXの臨床使用を制限させる代表的な副作用である。しかし,その発現機序には未だ不明な点が数多く残されている。これまでの当研究室における研究背景から,この消化管障害はMTXが腸上皮細胞の免疫応答を変化させた結果,集積した好中球によるものであると推察された。そこで,本研究では,その発症メカニズムを明らかとする目的でヒト腸由来細胞T84細胞を用いた検討を行った。 【方法】炎症性サイトカインであるインターロイキン8(IL-8)蛋白質はELISA法を用いて定量した。また<I>in vitro</I>好中球浸潤モデルであるtransmigration assayにおいてMTX暴露後の培養液(conditioned medium)を用いて好中球浸潤への影響を検討した。 【結果・考察】T84細胞におけるIL-8のmRNA発現量,培養液中に放出されたIL-8蛋白質量はMTX暴露後72時間で顕著に上昇した。また,IL-8の発現量上昇に先行してIL-8放出に関わるIL-1bのmRNA発現量亢進が確認された。さらにp38MAPK阻害剤(SB203580)はIL-8のmRNA発現量を部分的に抑制した。これら結果より,MTXによるT84細胞からのIL-8放出はIL-1 bが引き金となり活性化されたp38MAPKを介していることが示唆された。Transmigration assayではT84細胞に対して72時間MTXを暴露したconditioned mediumが好中球の浸潤を誘発した。また,この浸潤はIL-8の中和抗体,またはSB203580を前処理したconditioned mediumによって抑制された。これら結果より,MTXが腸上皮細胞に直接作用することで産生されたIL-8が好中球を消化管へと集積させる一因となることが明らかとなった。
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