<I>in vitro</I>細胞障害性,薬物動態ならびに物性と<I>in vivo</I>肝毒性の相関
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概要
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培養細胞を用いた<I>in vitro</I>細胞障害性試験は,簡便性や試験に用いる化合物量の少なさ,また動物福祉の観点から創薬開発の初期段階に汎用されている。一般的に,本試験によって細胞障害性の弱い化合物が開発候補として選択されるが,<I>in vitro</I>細胞障害性試験の結果が生体における毒性を反映しているか否かは,本試験結果の創薬への応用において非常に重要である。そこで我々は,過去に当社で実施したラット初代培養肝細胞を用いた<I>in vitro</I>細胞障害性試験(WST-8を用いたミトコンドリア酵素活性)の結果とラット4日間反復経口投与毒性試験の血中ALT活性上昇の相関性を,化合物の薬物動態および物性を考慮して解析した。その結果,いくつかのプロジェクトでは<I>in vitro</I>細胞障害性試験から算出されたIC50値と<I>in vivo</I>試験での血中ALT活性上昇の間に相関が見られたが,プロジェクト横断的な解析ではその相関性は認められなかった。しかしながら,IC50値が血中濃度(Day 1のCmax)の100倍以上の化合物の場合には,溶媒対照群に対して血中ALT活性が2倍以上に上昇することはなかった。また,分布容積(VD)および塩基性pKaが低い化合物ほど,血中ALT活性を上昇させる割合が低かった。これらの結果は,<I>in vitro</I>細胞障害性試験データに薬物動態(CmaxおよびVD)および物性(塩基性 pKa)のパラメータを考慮することによって,生体での肝毒性を予測する精度が向上することを示している。
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