ラット腎におけるmiRNA発現と腎障害モデルにおける変動の比較検討
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概要
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【背景および目的】トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト(TGP2)は,網羅的解析による安全性バイオマーカーの探索を行い,医薬品開発の効率化を目指す産官共同研究である.本プロジェクトでは,第39回日本毒性学会学術年会において,シスプラチン(CDDP)投与腎障害モデルラットにおけるmiRNA発現変動とバイオマーカー探索について報告した.本検討では,miRNAのバイオマーカーとしての有用性を検証するために,ラット腎の部位別miRNA発現解析を行い,腎障害モデルラットの尿及び組織における変動との比較を行った. 【方法】ラット(Crl:CD (SD)IGS;10週齢)の腎を3カ所(腎皮質,腎髄質,腎乳頭)に分割し,それぞれについてmiRNAアレイを行った.得られた結果について,CDDP投与腎障害モデルラットから取得した尿miRNAアレイ結果と比較した.さらに,腎において部位特異性を示したmiRNAについて,RT-PCRによる追加検討を行った.【結果】腎の各部位に高発現するmiRNAの上位30種類を抽出し比較した結果,多くのmiRNAが重複していた.それらのmiRNAのほとんどは,CDDP投与ラットの尿中で有意に増加していた.先述の30種類ほどではないものの,十分な発現を示すmiRNAのうち,miR-34aは特に腎乳頭に特異的な発現を示しており,CDDP投与によって腎組織及び尿中で有意な発現増加を示した.また,CDDP以外の腎障害化合物投与モデルラットより採取した腎サンプルを用いてmiR-34aを含むmiRNAの発現変動をRT-PCRにより検討した結果についても報告する.
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