がん原性試験におけるCrl:CD(SD)ラットの自然発生腫瘍‐特に早期発生腫瘍について‐
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概要
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がん原性試験の評価において,使用する動物の自然発生性腫瘍を把握しておくことが重要である。また,反復投与試験においても投薬群に腫瘍がみられることがあり,投薬との関連性を評価するためには,当該系統の動物における早期発生腫瘍を把握しておくことが有用である。本報告では,Crl:CD(SD)ラットにおける腫瘍の発生時期を把握する目的で,当施設で2003年から2011年の間に行われたがん原性試験(対照群に水性媒体を用いた経口投与試験:21試験,混餌試験:1試験,雌雄各1415匹)における対照群動物のデータを集計し,検討を行った。60週齡までに雄53例と雌54例が死亡し,そのうち雄27例と雌49例に腫瘍がみられた。腫瘍のうち最も早期に発生がみられたのは,雄におけるLGL白血病(8週齢),腎芽腫(19週齢),組織球性肉腫(21週齢),悪性リンパ腫(25週齢)及び希突起膠細胞腫(30週齢)であり,これらの早期発生腫瘍のほとんどは,当該系統における好発腫瘍とは言いがたいものであったが,致死性が高い腫瘍と考えられた。一方,雌では,30週齢までに腫瘍はみられず,最も早くみられた腫瘍も比較的稀な腫瘍である希突起膠細胞腫(40週齢)であり,好発腫瘍の代表である乳腺及び下垂体腫瘍の最初の発生は41週齢以降であった。ただし,これらのうち致死性が高くない腫瘍については,実際の発生時期を遅く見積もっていると考えられる。実際,病理組織学的に乳腺腫瘍と診断された皮下腫瘤は,触診では最も早いもので16週齢から確認されている。また,13週反復投与試験においては19週齢の雌での下垂体腫瘍の発生が確認されている。このように,Crl:CD(SD)ラットでは,比較的稀で致死性の高い腫瘍,あるいは好発腫瘍で致死性の比較的低い腫瘍が早期に自然発生する傾向がみられた。これらは反復投与試験で腫瘍がみられた場合の評価に有用と考えられる。学会ではさらに試験数を増やし,集計結果を発表する予定である。
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