NIBS系幼若ミニブタを用いた反復経皮投与毒性試験の試み
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概要
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【目的】我々は,これまでの本学術集会において経皮製剤の非臨床試験におけるミニブタの有用性について報告してきた。今回,幼若ミニブタを用いた反復経皮投与毒性試験を実施することを目的に,飼育管理条件を含めた基礎検討を行った。【方法】5週齢(離乳後1週)のNIBS系ミニブタ(n=2)を入手後,3週間の検疫・馴化期間を設けた後,8週齢から毒性学的影響がないとされている外用基剤を2週間閉塞経皮投与した。その間,一般毒性試験で実施される各種検査を行った。なお,投与前の採血は,動物へのストレスを軽減させる目的から麻酔下で実施し,投与終了前の採血は無麻酔下で実施した。【結果】検疫・馴化期間中には,体力を保持させるための保温と給水・給餌馴化等が必要であったが,一般状態及び体重推移に異常は認められなかった。また,投与検体に起因すると考えられる影響は認められなかった。しかし,血液及び血液生化学検査では,麻酔下と比べて無麻酔下でRBC,HGB,HCT,WBC,AST,CK及びLDの高値が認められた。また,剖検では,閉塞投与による影響と考えられる軽度の腹壁と脾臓・結腸の癒着,腹壁と肝臓の癒着,腹壁と膀胱の癒着が1例に認められた。【まとめ】幼若ミニブタでも飼育管理に配慮を施すことにより,問題なく飼育できた。また,血液及び血液生化学検査でみられた採血条件による差異は,これまで経験している成獣の変化と同様であり,採血時の体動による影響と推察された。今回は,成獣と同様の方法で経皮投与を実施し,腹部臓器に癒着を生じたため,成長期にある幼若動物では,閉塞方法,閉塞の強度及び閉塞部位に工夫が必要と考えられた。なお,その後改良した投与方法で4週間閉塞経皮投与を行った結果,癒着等の所見は認められなかった。また,その際,麻酔下と無麻酔下での採血を同時期に実施した結果,血液パラメータに同様の変動がみられた。
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