有害性評価支援システム統合プラットフォーム(HESS) III -肝毒性評価における適用範囲の拡大検討-
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概要
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有害性評価支援システム統合プラットフォーム(HESS)は,反復投与毒性の評価を支援するためのコンピュータソフトウェアであり,製品評価技術基盤機構(NITE)のHPで公開されている。HESSの最大の特徴は,化学物質の構造と毒性発現のメカニズムを関連付けたカテゴリーライブラリーの搭載であり,評価対象物質の構造特徴を解析し,類似物質の反復投与毒性試験データ及び毒性メカニズム情報をカテゴリーライブラリーから提供することによって,評価対象物質の反復投与毒性のデータギャップ補完を支援することができるところである。今回,我々は試験データだけでなく,成書等に記述されている一定の信頼性があると考えられる毒性知見を基にカテゴリーライブラリーを拡充し,HESSの適用範囲拡大と予測精度の向上が図れるかを検討した。 まず,肝毒性を示す物質の構造と毒性メカニズムについて,「Casarett & Doull's Toxicology」,「Handbook of Toxicologic Pathology」,及び本学会編集の「新版トキシコロジー」等の毒性学の成書を中心に,臨床的な知見を含め,既知見を収集・整理した。次に,その情報を基に構造と肝毒性メカニズムを関連付けた新たなカテゴリーを作成してHESSへ登録し,カテゴリーライブラリーの拡充を図った。その結果,これまでHESSではデータギャップ補完が困難であった肝毒性を示す物質について,データギャップ補完の可能性が示された。本アプローチによるHESSの適用範囲拡大の検証結果と,これに伴う予測精度の向上についても併せて考察し,報告する。
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