医薬品のがん原性の評価方法変更の提案について‐ICH S1 EWGにおける検討内容
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概要
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【概要】日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)において,特定の条件を満たせば,低分子医薬品の2年間げっ歯類がん原性試験を省略しても発がんリスクを評価可能な場合があるとの仮説に基づき,現行のがん原性試験(S1)ガイダンスの改定が検討されている。この検討に当たり,規制当局間で,S1改定に対するあらたな検証の必要性が合意された。今後実施される検証の方法と,ラットがん原性試験の省略要件に関する科学的根拠が明記された文書案(Regulatory Notice Document, RND)について,2013年6月初旬のICH S1 専門家ワーキンググループ(EWG)において各規制当局に寄せられたパブリックコメントを踏まえて内容を再検討する予定なので,現状を報告する。【背景】米国研究製薬工業協会(PhRMA)並びにアメリカ食品医薬品局(FDA),欧州医薬品庁(EMA)及び日本製薬工業協会(JPMA)のデータベース解析結果等から,ラット慢性毒性試験において病理組織学的に発がん関連病変が観察されない結果は,遺伝毒性の陰性結果およびホルモンへの影響がないことと併せると,ラットがん原性試験の陰性結果を予測するうえで有用であるとされた。それを受けて,ICH S1EWGで議論した結果,それらに加えて薬理学的作用についても予測要因とすることにより,一定の確実性をもって2年間ラットがん原性試験結果が明らかに陽性又は陰性であろうと予測できる場合があるものと合意された。ただし,2年間ラットがん原性試験結果が十分な確実性をもって予測できない場合も存在し,そのような場合には当該がん原性試験を実施する意義がある。しかし,これらの結論はいずれも既存データの検討の結果得られたものであることから,現行のS1ガイドラインの改定の必要性を判断するために,パブリックコメントを踏まえてRNDを確定し,2014年からがん原性試験の前向きの検証を行うことが合意されている。
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