ラット依存性試験:ラット薬物弁別実験における弁別獲得訓練時と異なる投与経路での般化テストの検討 (第2報)
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概要
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【目的】ラットにおける薬物弁別実験の投与経路として腹腔内又は皮下が用いられているが,溶解性が低い薬物の般化テストでは他の投与経路を選択する必要がある.しかし,弁別獲得訓練時と異なる投与経路で般化テストを実施した場合,評価に影響を及ぼす可能性が懸念される.第4回日本安全性薬理研究会学術年会において,ミダゾラム(MDZ)と生理食塩液(SAL)の腹腔内投与(IP)による弁別獲得ラットでは,般化テストにおけるレバー押し行動の観察時間帯を適正に設定することでMDZの経口投与(PO)による般化テストの評価が可能であることを報告した.そこで本研究では,同じくMDZとSALのIPによる弁別獲得動物を用いて,MDZと同様に中枢抑制作用を有するペントバルビタール(PBT)のIP及びPOによる般化テストの成績を比較検討した.【方法】2つのレバーのうち正選択と定めた側を連続10回押せば餌ペレットが1個提示される強化スケジュールで,Long-EvansラットにMDZとSALのIPによる弁別を獲得させた.弁別獲得ラットを用いた般化テストでは,PBTのIPではAtorら(1999)の報告に従い投与後15分,POではPTBのPO単回投与後の一般状態観察の結果を基に投与後30分からレバー押し行動の観察を開始した.般化テストでは,最初の餌ペレット獲得までの総レバー押し回数に対するMDZ側のレバー押し回数の割合が80%以上であれば般化有りと判定した.【結果】MDZ側のレバー押し回数の割合は,PBTのIP及びPOともに8例中4例で80%以上となり,般化がみられた.【考察】PBTの両投与経路において,般化がみられた例数に違いは認められなかったことから,MDZとSALのIPによる弁別獲得ラットでは,般化テストのレバー押し行動観察の開始時間を適正に設定することにより,POによる般化テストの評価が可能と考えられた.
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