新規食餌性肥満動物モデルとしての有用性に関する検討
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概要
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【目的】近年,抗肥満作用を有する医薬品や機能性食品の開発が盛んに行われるようになり,実験動物を用いた抗肥満作用評価のニーズが高まっている.我々は,ヒトの肥満状態により近い食餌性肥満動物モデルの作出を目的とした種々の検討を行っており,これまでに,ファストフード様飼料(飼料A)を与えることにより,従来の高脂肪飼料に比べて短期間で脂肪肝の形成および内臓脂肪の増加等を示す新規食餌性肥満動物モデルについて報告した(第37~39回本学会学術年会).今回は,コレステロール吸収阻害剤を用いて食餌性肥満動物モデルとしての有用性について検討した.【方法】5週齢のSD系雄ラットに,飼料Aを28日間自由に摂取させ,同時にコレステロール吸収阻害剤を経口投与した(阻害剤投与群).この他,標準飼料(普通食群)または飼料A(飼料A群)を28日間自由に摂取させ,それぞれの群に媒体を同様に投与した.体重および摂餌量を定期的に測定し,投与28日の翌日に剖検し,諸検査を実施した.【結果・考察】飼料A群は普通食群に比べて,肝臓の黄白色化,肝臓重量および内臓脂肪重量の増加,血中ASTおよびALTの高値が確認された.一方,阻害剤投与群の肝臓では,肉眼的に淡褐色化は認められたものの,飼料A群のような黄白色化には至らず,肝臓重量も飼料A群と比較して有意な低値を示した.また,阻害剤投与群では,飼料A群と比べてAST,ALTおよびALPに低下傾向がみられ,肝機能の改善傾向が示唆された.これらのことから,飼料Aを摂取させた食餌性肥満動物モデルにおいて,コレステロール吸収阻害作用を有する素材等の評価が可能と考えられ,新規肥満動物モデルとしての有用性が示唆された.
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