次世代シーケンサーを用いたマイクロミニピッグ肝臓におけるトランスクリプトーム解析
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概要
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【目的】近年,成熟時体重が10 kg未満の国産ミニブタであるマイクロミニピッグ(MMP)(富士マイクラ株式会社)が作出され,非臨床安全性試験における非げっ歯類実験動物として注目されている。本研究では今後,ゲノミクス解析等を行うための基礎データを取得することを目的として,MMPの肝臓に発現する遺伝子について次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現解析を実施した。なお,本発表では毒性学的に特に重要である薬物代謝酵素について報告する。【方法】6カ月齢の雄雌各3匹のMMPから肝臓を摘出し,全RNAを抽出した。[実験1:定性的トランスクリプトーム解析]抽出した全RNAをプールし,ランダムプライム法によりcDNA遺伝子ライブラリーを調製した。GS FLX Titanium(Roche Diagnostics, Co.)によって最頻値350~450 bpのシーケンシングを行い,cDNAのコンティグ配列を取得した。取得した配列に対するblastX解析を行い,アノテーション情報を取得した。[実験2:定量的トランスクリプトーム解析]抽出した全RNAをから3'-fragment cDNAライブラリーを調製し,Hiseq 2000(Illumina, Inc.)によってシーケンシグを実施した。得られた配列を実験1にて得たコンティグ配列にマッピングを行い,各遺伝子の発現量情報を取得した。【結果】定性的トランスクリプトーム解析により全部で76,781個のコンティグ配列を取得することに成功した。この中でアノテーション情報中に薬物代謝酵素(CYP, FMO, CE, UGT, SULT, NAT, GST)を含み,定量的トランスクリプトーム解析にて発現が確認された遺伝子は64遺伝子であった。その中で既に報告されている遺伝子は24遺伝子,報告がない遺伝子は40遺伝子であった。
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