CT撮影装置を用いたミニブタの体表面積の計測
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概要
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【目的】ミニブタは,解剖,生理的所見がヒトとの間に多くの類似点があり,成熟体重がヒトに近く,体重当たりの各臓器の重量比もヒトのそれにきわめて近い。これらの特徴から,近年,医薬品あるいは医療機器開発における非臨床試験にミニブタの利用が増加している。特に経皮投与毒性試験においては,皮膚を構成する組織中のタンパク組成及びその量,化学物質の皮膚からの吸収がヒトに類似していることから,ミニブタが選択されることが多い。そして,経皮投与毒性試験においての投与面積は,体表面積の10%とすることが一般的である。また,動物からヒトへの外挿において,投与量を体表面積で補正することが可能であるとされている。このように,実験動物,特にミニブタの体表面積は,非臨床試験において重要な数値である。体表面積はMeeh(1879)の式:体表面積(cm2)=k×体重(g)2/3によって推定値として求められる。kは体格を反映する定数であり,動物種毎に様々な値が報告されている。豚ではSpector(1956)がk=9.0としている。しかしながら,豚とミニブタでは体格に相違があること,従来の体表面積測定法として皮剥ぎ法及び紙型法等が挙げられるが,いずれも正確性も再現性も低いことが指摘されている。一方,CT撮影装置では,撮影対象の連続断面画像が得られ,これを解析することにより体表面積を正確に計測することが可能である。そこで,CT撮影装置を用いたミニブタの体表面積の計測を実施した。【方法及び結果】雌12ヵ月齢のGöttingen系ミニブタ(供給源:エレガード社)体重:22.4 kgを4列ヘリカルCT撮影装置(東芝メディカルシステムズ,Asteion Super 4)を用いて撮影した。得られた画像データを解析した結果,体表面積は6169 cm2となり,k=7.76が得られた。今後,動物数を増やし,ミニブタのk値を求める。
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