エストロゲン応答性レポーターマウスを用いたローヤルゼリーのエストロゲン活性評価
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概要
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【目的】ローヤルゼリー(RJ)は働き蜂が女王蜂を育てるために分泌する物質で,健康食品として様々な薬理活性が報告されている。近年,RJ中にエストロゲン作用を示す成分が存在し,更年期障害や骨粗鬆症などに有効であるという報告がなされた。その一方で乳癌や子宮体癌などのエストロゲン依存性疾患を招くリスクも懸念される。これらRJのエストロゲン活性の報告は<I>in vitro</I>での結果であったり,<I>in vivo</I>の検討においても投与方法等が通常の摂取状況に即したものではないなど情報が断片的であり,RJのエストロゲン作用の是非については不明な点が多く残されている。そこで本研究では,雌性個体の各臓器におけるRJのエストロゲン作用について,当研究室で開発したエストロゲン応答性ルシフェラーゼ(Luc)発現レポーターマウス(E-Repマウス)を用いて検討した。【方法】8週齢の雌E-Repマウスの卵巣を摘出し,精製飼料AIN-93Mを摂取させて1週間予備飼育後,4%w/w RJ/AIN-93M混餌食をさらに1週間摂取させた。エストロゲン活性は<I>in vivo</I> imaging system(IVIS)を用いた生物化学発光を経日的に検出すると共に,7日目の発光測定後に解剖して各臓器を摘出し,重量及びLuc活性を測定した。また陽性対象として,10 ppmエストラジオール(E2) /AIN-93M混餌投与群についても同様の検討を行った。【結果・考察】IVISによる解析ではE2投与群において1日目から有意な発光量の増加が見られたが,RJ投与群においては有意な発光は認められなかった。また子宮重量はE2群において有意な重量の増加が認められたが,RJ群で変化は無かった。Luc活性についてもE2群ではほとんどの臓器で有意な活性の上昇が見られたが,RJ投与群で変化は無かった。以上の結果から,通常量のRJ摂取ではエストロゲン活性を示さない可能性が示唆された。
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