円錐渦のスイッチングのメカニズム
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概要
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乱れが少ない気流中の低層建築物に45°方向から風が当るとき,屋根風上側端部近くに形成される一対の円錐渦では,互いの強さを不規則に交換するスイッチングと呼ばれる現象が見られる。この円錐渦の挙動を理解するために,1:1:0.5の角柱の前,後および上にスプリッター板を置いて渦の干渉を妨げる実験を行った。角柱の背後に角柱と同じ高さのスプリッター板を設置すると円錐渦のスイッチングは消えたが,屋根上に角柱高さの半分の高さをもつスプリッターを設置しても円錐渦のスイッチングは消えなかった。この場合,屋根上でスプリッター板の上を越して二つの円錐渦が直接干渉するとは考えられないことから,円錐渦は後流域で角柱壁からの鉛直軸をもつ渦とつながっており,後流域内における角柱壁からの左右の渦の干渉に起因して円錐渦の不安定なスイッチングが生じると考えられる。また,円錐渦のスイッチングと風上壁面に位置する淀み点の運動とはほとんど関係がない。
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一般社団法人 日本風工学会 | 論文
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