MRI-AGCMを用いた21世紀末のパナマにおける水文気象の予測
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概要
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本研究は、超高解像度気象庁大気全球モデル(AGCM)を用いて、中米に位置するパナマ国の今世紀末における水文気象予測を行った。20km解像度のAGCMと、60km解像度AGCMによる複数の将来海面水温を与えたアンサンブル実験を行い、変化の信頼性についても調査した。降水量と蒸発量は今世紀末、いずれも増加すると予測されたが、幾つかの地域では、その予測の信頼性は低かった。統計的に有意な土壌からの全流出量は特定の地域に限定され、信頼性はとても低かった。河川流量は、全流出量と同じ特徴を有しているが、やや信頼性が高かった。これらの結果は他の地域でも見られる傾向で、河川流量が(降水量)-(蒸発量)で表されるため、河川流量の変化は小さくなるからである。季節変化をみると、一年を通して、降水量と全流出量が減少するのは、パナマでは西部だけであった。
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