遷移進行中の林分でのアカマツとシラカシの単木スケールでの地下水涵養量測定
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概要
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本研究では樹種毎の地下水涵養機能の差を明らかにするために遷移進行中の林分においてアカマツとシラカシを対象に単木スケールの地下水涵養量の評価を行った. 日射量の大小によってアカマツとシラカシ周辺の涵養量に顕著な差が生じることが明らかとなった.日射量が少ない場合は蒸散活動が低く,蒸散量の差は小さいために,シラカシの地下水涵養量がアカマツよりも大きくなったと考えられる.一方,日射量が多いときには,シラカシの蒸散量はアカマツの3倍大きいため,シラカシの樹幹流量による雨水の供給は蒸散として消費され、アカマツの地下水涵養量の方が多いという結果が得られた.年間地下水涵養量はシラカシよりもアカマツの方が大きいことが明らかとなった.正味林内雨量はアカマツとシラカシでほぼ同程度である.したがって,アカマツの地下水涵養量がシラカシよりも多い理由は,アカマツの蒸散量がシラカシよりも少ないことであると結論される.
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