異なる森林で観測された林内雨の特徴
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概要
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標高及び樹種の異なる森林4箇所において、林内の雨滴径分布の観測を実施した。雨滴の径及び落下速度の計測には、光学式ディスドロメータを用いた。森林内外の雨滴径分布から、樹木に一旦接触して落下する滴下雨と、林冠の空隙から自由落下する通過雨を分離した。その結果、土壌浸食の主要因となる大径化した滴下雨に加え、樹木表面で飛散する小径の雨滴成分が認められた。また、これら再分配される雨滴径分布について、異なる森林間で明らかな差異は認められなかった。雨量と滴下雨の比は、葉面積と共に変化し、被覆率が滴下雨に対して大きく影響することが示された。林冠下への適用が可能な既存の雨滴エネルギーモデルは、実測値を過大評価する結果となり、滴下雨の落下位置の分布および滴下雨の粒径分布についての再検討が必要であることが分かった。
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