佐用川流域を対象とした広域降雨流出・洪水氾濫解析と経済被害推定
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概要
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2009年8月8日から10日にかけて台風9号による大雨により兵庫県佐用町に甚大な洪水被害がもたらされた.本稿では,この佐用町豪雨災害を再現し,かつ実態経済被害とシミュレーションによる予測経済被害を比較する.これにより,洪水ハザードのシミュレーション精度を高める事に加え,流域の洪水によるリスクを事前に推定する手法の高度化を図る.最初に洪水浸水深を再現するために,降雨流出過程と洪水氾濫過程を同時に追跡できる統合型降雨流出・洪水氾濫モデルを開発した.これにより浸水過程を良好に再現できた.続いて,土地利用情報を用いて農作物被害を推定した所7億8000万円となった.佐用町報告による実態被害額が2億456万円であるから大分高い推定結果となった.家屋被害推定モデルによると例えば佐用町総合庁舎の直接被害は3900万円と推定された.今後,現地訪問等を通じて実態被害と計算結果を比較し,モデルの精度を高めていく.
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