X-バンド二重偏波ドップラーレーダーで観測された強雨域の偏波間位相差変化率の分布の特徴
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概要
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2009年9月4日に山梨大学X-バンド二重偏波ドップラーレーダーで観測された強雨域(HRA)1を例に、偏波間位相差変化率(KDP)の分布の特徴を反射強度(ZH)と共に調べた。HRA1は、高度4km以下に50dBZ以上のコア、そして高度7.5 kmまで伸びる45dBZ以上のZHを伴った。高度4km以下のZHのコアに対応した 最大で6 deg/km以上を伴うKDPのコアが存在した。高度5km以上では、0~1 deg/kmのKDPがZHの分布に対応せず広く分布した。また0℃高度を含む高度4~5kmでは、KDPが急激に増加する上層から下層への勾配が見られた。以上からHRA1について、KDPにより雨滴で構成される構造を示すこと、固相の降水粒子で構成される構造を明確に示さないこと、そして融解層を挟んだ固相の降水粒子から雨滴への分布の遷移を反映することが示唆された。
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