タイ国におけるチークの樹幹内樹液流動に関する研究
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概要
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熱帯に生育する環孔材であるチークにおける樹液の上昇速度の辺材深さ方向の分布様式を調べるために,タイ・ランパン県にあるMae Moh試験地内に生育する樹高20mのチークを対象として樹液流の染色実験を行った.よく晴れた日の午前中合計60分間(北,南東,南西の順に20分づつ時間差をつけた)染色液を吸水させた結果,以下のことが確認された.1)染色液注入口から最も高い位置まで上昇した染色液の高さは8.7mであった.2)それは樹皮側の約5mmの幅,年輪数として4本分の範囲で起こっていた.3)辺材の深い部分においても,ゆっくりではあるが樹液の流動が確認された.以上の結果から,熱帯に生育しているチークの樹液流が速い部分は,既往研究によって報告されている他の環孔材よりも,深い部分まで樹液が流動していることが示唆された.
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