熱帯スリランカにおけるパン蒸発量と実蒸発散量の補完関係仮説の検証
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概要
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熱帯におけるパン蒸発量と実蒸発散量の補完関係仮説の妥当性を検証するため, 流域水収支法により実蒸発散量を求め,乾湿の変化に伴うパン蒸発量と実蒸発散量の変化を比較した. 用いたデータは, スリランカの1951 - 1993年のパン蒸発量 (41地点), 降水量 (183地点), 流出量 (6流域)の水文・気象データセットである.年降水量 2000mm 以下の比較的乾燥した流域では, 降水量の減少に伴って実蒸発散量の減少が見られたが, パン蒸発量はほとんど変化しなかった. したがって, スリランカではパン蒸発量と実蒸発散量の明瞭な補完関係は見られなかった. 本研究によって熱帯ではパン蒸発量の減少傾向が必ずしも実蒸発散量の増加を表さないことを示した.
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