超高解像度水文地形データを用いた全球河川流下モデルへの氾濫原浸水過程の導入
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概要
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河川による陸域水循環は、気候システムの一要素、人間活動に必要な淡水供給システムとして、重要なプロセスである。地球規模での河川による水輸送過程を理解するため、約20 年にわたり全球河川流下モデルの開発がなされてきた。しかし既存の全球河川流下モデルの解像度は0.5 度に留まっており、水の流れを決定付ける詳細な地形情報を表現できなかった。そのため、ほとんどのモデルは河道を1次元に単純化しており、氾濫原における水面の広がりを再現できなかった。本研究では、超高解像度(約1km2)水文地形データから河道網と氾濫原の詳細地形情報を適切に抽出する手法を考案し、氾濫原の浸水過程を陽に表現する全球河川流下モデルを開発した。新たに開発したモデルはアマゾン川のような低平地流域での河川流量の再現性を大幅に向上させること、また氾濫原浸水面積の季節変動を妥当な範囲で再現できることを示した。
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