コハクチョウが冬水田んぼの田面水質に与える影響
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概要
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コハクチョウが飛来した冬水田んぼの田面水水質を分析した結果,水田へ導水直後は低濃度を示したが,その後濃度上昇する傾向が伺えた.2007年11月から2008年3月までの平均濃度を見ると,TN:8.52mg/L,TP:0.98mg/L,TOC:17.4mg/Lであり,伯太川の濃度(灌漑水)と比べると非常に高濃度であった.窒素成分のうち70%以上をアンモニア態窒素が占めており,コハクチョウの糞尿の影響が大きいと考えられた.またコハクチョウの行動を観察した結果,多くのコハクチョウは午前10時頃までに餌場へと移動することが観察された(この移動は朝の気温と関連があるようであった).さらに採取したコハクチョウの糞を分析し,幾つかの仮定を用いてコハクチョウが11月から2月の間に水田内に排泄する窒素およびリン量を推定した結果,灌漑期の施肥量と比べて,窒素で同程度,リンで3割程度,田面への供給があると推定された.
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