メコン河流域の土砂動態に対する気候変動の影響について
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概要
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本研究は,メコン河流域全体を対象とし流出モデルYHyM/BTOPMC及び河床変動シミュレーションモデルを用いて,気象研究所の温暖化実験結果データ(A1Bシナリオ,現在気候)を適用した.その流量,浮遊砂濃度の計算結果から気候変動時のメコン河流域の土砂動態の変化を検討した.Chiang Saenにおける流量からは,A1Bシナリオでは量的な変化は見られない.浮遊砂濃度では,A1Bシナリオが現在気候より大きな値をとり,ウォッシュロードが増加することが示唆された.USLEを用いて算出された上流部での土砂生産量は,下流部と比べると約10倍大きく,またA1Bシナリオの生産量は,現在気候の約2倍であった.気候変動時には上流部(急斜面地域)の土砂生産量が大きくなり,これが下流部の土砂動態に影響を与えることが分かった.
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