日本の農業用水の再編と温暖化予測
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概要
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耕作放棄の拡大と水田のパイプライン化が農業用水の再編に与える影響とその上での温暖化の影響を検討した。耕作放棄面積は、過去のトレンドを用い、耕作放棄面積の灌漑除外が0%と100%の2つのケースで取水量に影響を与えると予測した。水田の圃場整備に伴うパイプライン化は最近の平均面積でトレンド予測を行い、圃場整備率が60%を越える2050年頃を予測の限界とした。この際、再編面積の1/3は、灌漑除外されると仮定した。温暖化が農業用水に与える影響は、田植えから出穂までは堀江の方法で、出穂から成熟までは有効積算温度を用いた。灌漑期間は成熟の7日前までとした。推計の結果、2050年頃の日本の農業用水は、耕作放棄面積が0%灌漑除外で2006年の80%、100%の灌漑除外で、50%になった。温暖化は、更に節水を促進したが、4℃の上昇シナリオでも、10%以下の減少であり、構造変化の影響が大きい。
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