阿武隈川の水質の特徴と形成要因について
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概要
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阿武隈川の本川、支川の水質の実態を把握するとともに、汚濁負荷源の特定や河川水質の形成要因(自浄機能の把握)を明らかにするため、河川の流量・水質の一斉調査を実施した。その結果、阿武隈川本川に流入するBOD負荷量は福島市内を流れる濁川及び郡山市内を流れる逢瀬川で大きく、生活排水等に由来するものと考えられた。全窒素は畑作が盛んな右側支川の広瀬川、移川、大滝根川や温泉地を抱える摺上川や荒川で大きい値を示した。全リン負荷量は五百川や笹原川で大きいが、五百川については事業所排水に起因する負荷と見られた。今回把握できた本川に流入するBOD負荷量のうちの大半は、下水処理水ではなく、支川由来であった。全窒素の場合は下水処理水の占める割合がおよそ3割を占めており、処理水の水質改善も重要である。本川のBODや全リンの流下フラックスは本川ダムや堰での沈降・分解過程により顕著な減少が確認された。
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