一級河川における基本高水の変遷と既往最大洪水との関係
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概要
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全国の河川で基本高水が過大ではないかという疑念が住民から提起され、河川計画の策定を巡るコンフリクトの原因の一つとなっている。本研究は、全国の一級河川における基本高水が歴史的にどのように変化し、既往最大洪水と比較として現在どのような値になっているのかを知ることを目的とし、河川整備基本方針、国土調査法に基づく主要水系調査書等により、全国109一級河川の最下流基準点における基本高水ピーク流量と計画高水流量の経年変化データを得た。基本高水は過去61年間一貫して引上げられ、上げ方は一定ではなく不規則であり、洪水の発生頻度とは対応していない。既往最大洪水との比較より、現在の基本高水が過大に設定されている可能性が高い水系が存在することがわかった。このような水系で河川整備基本方針や河川整備計画を策定するには、基本高水の数値の妥当性が住民や自治体に対して科学的にわかりやすく説明される必要がある。
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