地球温暖化による流域水資源分布の推定と比較
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概要
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現在,人口増加や生活水準の向上により,水問題が深刻化している.また,地球温暖化による,水資源,流域環境への影響が懸念される.限りある水資源を有効活用するためには,流域単位での水資源,流域環境の総合的な管理が不可欠である.一方,近年,全世界的に地理情報システムが発達し,大循環モデル(GCM)による気候の将来予測精度が向上してきている.本研究では,GCM出力値を利用し,異なる3流域に分布型流出モデルを適用することで,地球温暖化による流域水資源分布への影響の推定と比較を行った.なお,解析期間は再現期間(1979-2000)・将来予測期間(2079-2100)とし,GCMはIPCC のSRES A2 シナリオに基づいた気象庁の全球大気海洋結合モデル(CGCM2)を用いた.その結果,温暖化の影響により日本における降水量・河川流量の季節較差が拡大することが示唆され,流域管理がより困難になると懸念される.
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