風化花崗岩山地流域における流域スケールと流出特性の関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,流域を構成する基本的な地形単位である谷頭部斜面と谷壁斜面,それらを含む2?5次谷流域における観測結果を比較し,流域スケールと流出特性の関係を把握することを目的とした.観測の結果,基底流出時において,谷頭部斜面の流出量は,5次谷流域に比べて大きく,また,谷壁斜面は小さい傾向を示した.また, 2?5次谷流域の流出特性に差は認められなかった.この結果とSiO2濃度の空間分布の結果を併せて考えると,基底流出時の流出特性には,基岩を通過した水(岩盤地下水)が重要な役割を果たしていることが明らかになった.洪水流出時には,谷頭部斜面,谷壁斜面の降雨流出応答は降雨の規模によって異なり,また,2?5次谷流域の流出応答に影響を与えていることが示された.一方,2?5次谷流域では,流出特性に差が見られず,斜面地形の影響が平均化されていることが示唆された.
- 水文・水資源学会の論文
水文・水資源学会 | 論文
- 出水時における河川水中リンの濃度上昇を考慮したヒノキ人工林流域におけるリン収支
- 北海道南西部噴火湾沿岸流域における土地利用の違いが浮遊土砂流出特牲に及ぼす影響
- インドネシア, ブランタス川上流域における放射性同位体Pb-210exを用いた土壌侵食量と土砂供給源の推定
- 降雨流出過程の相違が渓流水質形成機構に与える影響
- 自己組織化マップを利用した豪雨時の成層状態の診断