河床底泥からの巻き上げを考慮した河川水質解析
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概要
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本研究では河川水質に対する河床底泥の影響を明らかにするために,京都市を流下する賀茂川の高橋_から_出町橋区間の水質および底質,横流入水の観測を実施した.その結果,河川水質は水温によって大きく異なり夏季に濃度が高くなる傾向がみられた.さらにそれらの観測データについて,移流・分散を基礎とした式に,巻き上げ・沈降・分解・横流入を考慮したモデルを用いて水質解析を行った.高橋から出町橋までの区間を対象に月別の再現計算を行い,観測値と計算値との誤差二乗和が最小となるように係数の同定を行った結果,流下に伴う河川水質の変化傾向をよく再現できた.この際に決定された分解係数は冬季に最も大きくなり,河川水質について考察する際に水温が無視できない要素となっている可能性が示唆された.また,巻き上げによる河床から河川水への物質移動量は対象区間全体の横流入量の半分程度に相当し,河川水質への影響が大きいことを明らかにした.
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