出水時における感潮域での流量推定手法
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概要
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サロベツ川下流部の浜里観測所における現行のH-Q式は,当河川が感潮域でありかつ天塩川の背水の影響を受けるため精度が悪く,正確な流出量の評価が難しい.そこで横尾ら(2004)は,H-Q式に変わる手法として浜里観測所における水位の時間変化率を用いた流量推定式(1因子推定式)を提案した.その結果,非出水時における推定精度は向上したが,出水時では低く,累加総流出量など年間を通しての適用は誤差が大きい事が課題となった.本研究では多層式超音波流速計を用いた観測より,水位データのみを用いて非出水時だけでなく出水時でも精度が高い流量推定式の構築をした。その結果,単位幅流量推定地点の水位に加え,上流からの流入要素として推定地点の上流における潮位変動の影響を除いた水位を用いた単位幅流量推定式では,現行のH-Q式よりはるかに十分な精度で流量の推定が可能となった.
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