ハイドログラフによる狩野川大仁上流域の水循環特性に関する一考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
流域面積の8割が森林となっている狩野川大仁上流域において、ハイドログラフから見掛けの流域平均浸透能を求め流域の降雨流出特性を検討した。狩野川上流域の支流域において河川流量観測を行い、市流域毎に流域平均浸透能を求めたところ、流域内の土地改変状況と関係している可能性が明らかとなった。そこで、土地の改変を受けている範囲と受けていない範囲の森林斜面の浸透能を仮定して流域浸透能を推定したところ、100mm/h以上を示すミクロな森林土壌層の浸透能が大きく低下している可能性が把握できた。これらのことから、土地改変により森林斜面の飽和側方浸透流か影響を受け、速やかに地表流へ転換される状況が生じていることが、降雨流出を早めている可能性ではないかと推察した。また、見掛けの流域平均浸透能は、流域の浸透や保水機能を高める方策に活用できると考えられた。
- 水文・水資源学会の論文
水文・水資源学会 | 論文
- 出水時における河川水中リンの濃度上昇を考慮したヒノキ人工林流域におけるリン収支
- 北海道南西部噴火湾沿岸流域における土地利用の違いが浮遊土砂流出特牲に及ぼす影響
- インドネシア, ブランタス川上流域における放射性同位体Pb-210exを用いた土壌侵食量と土砂供給源の推定
- 降雨流出過程の相違が渓流水質形成機構に与える影響
- 自己組織化マップを利用した豪雨時の成層状態の診断