火成岩からなる山地源流域の降雨流出過程における基盤岩地下水の役割
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概要
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本研究では,第三紀火山岩地域である熊本県宇土郡不知火町に位置する山地源流域において,水文観測および水質調査・分析,地中水ポテンシャルの観測を行った. 2004年8月30日に観測された降雨流出イベントでは,流量の1次ピークに対応し,NO3_-_以外の主要イオンおよびδ18O,δDの低下およびNO3_-_濃度の上昇が観測された.また1次ピークに対し半日程度遅れて流量が増加した2次ピークにおいてはHCO3_-_,SiO2濃度が上昇しNO3_-_濃度が低下した.湧水におけるδ18O値とSiO2濃度の変動から,湧水における卓越成分が以下のように推測された.すなわち基底流出時は基盤岩地下水成分が,1次ピーク時には降水成分と土壌水成分,そして2次ピークでは基盤岩地下水成分と土壌水成分が各々卓越している.
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