筑波台地緩斜面における地下水の流動と硝酸イオンの濃度分布
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概要
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筑波台地緩斜面の150(m)×450(m)程の地域を地下水観測試験区域とし、河川沿いの土地利用と地下水の流動・水質変化の実態調査を行い、地下水が河川に流出する際に通過する窒素浄化域の特定を試みた。2004年8月から11月に実施した現地調査の結果、観測期間中の地下水の流動に大きな変化はなく、およそ林地部では下向きの流動、芝地・畑地へと徐々に水平の流動となり、水田ではほぼ水平の流動であった。また、河道部では上向きの流動となっており、河川へ流出していると考えられる。地下水中の硝酸イオン濃度が水田およびその周辺で非常に低かったことから、浄化ゾーンは水田やその周辺地域の地下2mから4m付近に存在すると推定される。調査区域では、硝酸イオンは施肥によるものと家畜糞尿によるものと2つのプルームを形成し、施肥によるものは浄化ゾーンを通過するのに対し、非常に高濃度である家畜糞尿起源である林地部の地下水は、浄化ゾーンを通過せず、その下を経由していると考えられる。
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