腹腔鏡下膀胱全摘除術の長期予後─開腹膀胱全摘除術との比較検討─
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概要
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2007年から行ってきた腹腔鏡下膀胱全摘除術(LRC)93例の成績を,開腹膀胱全摘除術(ORC)103例と比較検討した.手術時間に関してはLRC487分,ORC391分とLRCの方が100分ほど長くかかっていたが,逆に出血量に関してはLRC670ml,ORC1484mlとLRCの方が800ml程度少なく輸血の頻度も有意に少なかった.術後の回復状態に関しては, LRCの飲水開始時期,食事開始時期はそれぞれ術後1日,3日であったがORCでは5日,7日であり,LRCの方が術後有意に早く飲水,食事を開始できていた.そのため術後早期から回復およびストーマ管理の訓練をすることが可能であり,入院日数もLRC34日,ORC49日と入院日数の短縮化が認められた.重篤合併症には有意差はなかったが,LRCの方が頻度は少なかった.癌特異的5年生存率はLRC85%,ORC77%で有意差は認められなかったが,LRCの方が生存率は高かった. 以上のことから,LRCはORCに比較して優れた治療方法と考えられた.
- 日本泌尿器内視鏡学会の論文
日本泌尿器内視鏡学会 | 論文
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