f-TULにおけるX線透視:術者被ばく低減についての検討
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概要
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【目的】f-TUL における術者の被ばく量をX線透視時間ならびにフィルムバッジ計測値から測定し,内視鏡の保持方法を変えて被ばく量低減が可能か検討する. 【対象と方法】2010年8月から2013年6月に施行された全TUL838例中,アクセスシース挿入ならびに術後尿管ステント留置を行ったf-TUL564例を対象とし,2群に分け(A群:2012年3月まで,B群:2012年4月以降)後ろ向きに検討した.さらに単一術者が執刀したA群とB群患者において,術者と患者間の距離を変えてf-TULを施行(B群症例はA群より1.5倍離れて),フィルムバッジ計測値から水晶体被ばく量を集計し,X線透視時間(FT:秒)と被ばく量の関連を検討した.FT測定は手術開始から尿管ステント留置までとした. 【結果】術者5人の平均手術時間はA群36.8分:B群43.0分,平均FTはA群75.2秒:B群68.0秒と共に有意差なしであった.また手術時間に占めるX線透視時間(FT/手術時間)はA群3.8%:B群2.9%(p=0.023)であった.一方,単一術者における(FT/手術時間)はA群3.7%:B群2.6%(有意差なし)であった.またA群の単一術者水晶体被ばく量はB群の4倍であった. 【結論】患者からの距離が術者被ばくにおける重要な因子の一つであることが判明した.十分な線源からの距離を内視鏡の保持方法により確保することが被ばく低減に寄与すると考えられた.
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