7cmを超える腎癌に対する鏡視下腎摘除術の検討
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概要
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【目的】大きな腎癌に対する鏡視下腎摘除術の長期予後の報告は少ない.我々は7cmを超える腎癌に対する鏡視下腎摘除術の手術成績と長期予後を検討した. 【対象】1981年から2011年までに手術された7cmを超える限局性腎癌症例で,pT2a-3aN0orNxM0と診断された207例を鏡視下群(83例)と開腹群(124例)に分けて検討した. 【結果】平均腫瘍径は鏡視下群が8.7cm, 開腹群が9.3cm. 平均出血量は鏡視下群で有意に少なかった(255.7ml vs 625.8ml).5年,10年無再発生存率は鏡視下群で66.2%,50.6%,開腹群で68.2%,55.9%(p=0.99).5年,10年癌特異的生存率は鏡視下群で88.3%,83.0%,開腹群で88.0%,85.1%(p=0.979).いずれのpTステージにおいても2群間の生存率に有意差は認めなかった. 【結論】大きな腎癌に対する鏡視下腎摘除術は安全に施行され,出血量の点で優れており,開腹術と同等の制癌性を有すると考えられた.
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日本泌尿器内視鏡学会 | 論文
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