単孔プラス1ポート腹腔鏡下ドナー腎採取術の初期経験
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概要
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単孔式腹腔鏡手術は難易度の高さが問題点であるが,整容性改善の点でドナー腎採取術での利益は大きい.我々は通常の器具を用いかつ手術操作を容易にするため,単孔プラス1ポート腹腔鏡下ドナー腎採取術(laparoendoscopic single site plus one trocar donor nephrectomy:LEPODN)を考案し試みた.2010年~2011年に施行したLEPODN20例を対象とした.年齢,BMI,術前CCrの平均値はそれぞれ55.7歳,23.2,118.4 mg/minであった.臍高を中心とする5.5cmの傍腹直筋切開でGelPortⓇを装着し,カメラおよび左手,補助ポートをGelPortⓇより挿入,左肋骨弓下に右手ポート5mmを追加した.標準的腹腔鏡下ドナー腎採取術(Standard-LDN) 27例と比較し,LEPODN群の平均手術時間はStandard-LDN群に比べ有意に短かった(220 min vs 249 min, p=0.033).LEPODN群の平均出血量および温阻血時間,レシピエントの術後28日目の平均血清クレアチニン値はそれぞれ39.4ml,272秒,1.13mg/dlであり,Standard-LDN群に比べ有意差はなかった.単孔プラス1ポート腹腔鏡下ドナー腎採取術は,通常の器具のみで手術ができ,安全低侵襲で良好なグラフト機能を担保でき,かつ整容性が良好であることが示された.
- 日本泌尿器内視鏡学会の論文
日本泌尿器内視鏡学会 | 論文
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