転移性副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術の長期成績
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概要
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転移性副腎腫瘍に対して腹腔鏡下副腎摘除術を施行された10例について調査を行った.原疾患は腎細胞癌3例,原発不明癌2例,肝細胞癌2例,メラノーマ1例,悪性リンパ腫1例,肺癌1例であり,他臓器への複数転移例が3例含まれていた.全例で開腹手術への移行なく安全に施行され,1例に肝損傷を認めた以外,重篤な合併症は認められなかった.生存期間は現在生存中の3例を含め中央値32ヶ月(5~75ヶ月)であり,良好な治療成績であった.ポート再発や腹膜播種を来たした症例は認めなかった.転移性副腎腫瘍に対する外科的摘除術は未だ論議の有るところではあるが,長期生存の報告が散見されており,担癌患者に対しても低侵襲治療である腹腔鏡下副腎摘除術は,症例ごとに画像診断や原疾患の生物学的悪性度や全身状態を慎重に評価することで,転移性副腎腫瘍に対する有用な治療戦略となることが示されてきている.
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