過去8年間のTULの臨床的検討
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概要
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【目的】腎・尿管結石患者に対する経尿道的砕石術(transurethral lithotripsy;TUL)の治療成績を検討する. 【対象と方法】2002-2009年の間に延べ256例(男性158例,女性98例)にパルス波色素レーザーを用いてTULを行った.部位(平均長径)は腎(8.2mm)13例,上部尿管(U1, 8.3mm)104例,中部尿管(U2, 9.4mm)53例,下部尿管(U3, 7.6mm)86例.先行治療として平均2.6回の体外衝撃波砕石術(extracorporeal shock wave lithotripsy;ESWL)を153例(59%)に行っていた. 【結果】手術時間の中央値は53分で,手術時間延長の要因は,結石部位が近位・長径大・水腎症あり・術者non-expertであった.半硬性尿管鏡は全例,軟性鏡は72例で使用し,術後のステント留置は189例で行った.術後3ヶ月の完全排石(率)は全体で224例(89%),腎11例(85%),上部尿管83例(81%),中部尿管48例(92%),下部尿管82例(96%)であった.多重ロジスティック回帰分析では,上部尿管に比べ中部・下部尿管で,長径が大きいものよりも小さいもので完全排石率が有意に良好であった.さらに,過去に検討したESWL単回での治療成績に比べ,今回のTULの成績は大きく上回った. 【結論】最新の尿管鏡や砕石装置などが必要ではあるが,TULの安全性は高くその手術成績はESWLに比して良好であるといえる.
- 日本泌尿器内視鏡学会の論文
日本泌尿器内視鏡学会 | 論文
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