乳牛のオブシンク処置におけるPGF2αから2回目GnRH投与までの間隔が定時授精後の排卵同期化率、授精後早期の胚生存率および妊娠率に与える影響
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概要
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乳牛へのオブシンク処置におけるPGF2α(PG) 投与から2回目GnRH投与までの間隔を30時間あるいは48時間にした場合の下垂体の反応性および定時授精(定時AI) 後の排卵同期化率、定時AI後早期の胚生存率ならびに妊娠率を比較した。ホルスタイン種経産牛27頭のDay0にGnRH製剤を、Day7にPG製剤をそれぞれ筋肉内投与した。27頭中13頭にはPG投与の30時間後に再度GnRH (2nd GnRH) を投与し(30時間群)、14頭にはPG投与48時間後に2nd GnRHを投与した(48時間群)。定時AI は両群ともに2nd GnRH投与後16時間に行い、その24時間後に排卵の有無を超音波検査で確認した。各薬剤投与時およびAI時に採血し、血中プロジェステロン、エストラジオール-17βおよび黄体形成ホルモン(LH)濃度を測定した。また、両群における定時AI後48時間の胚生存率を超早期妊娠因子活性により算出した。その結果、排卵同期化率、定時AI後48時間の胚生存率および妊娠率は30時間群で84.6%、53.8%および46.2%、48時間群で85.7%、61.5%および50.0%と、両群間に有意差は認められなかった。2nd GnRH投与時の血中LH濃度(基底値) は48時間群(0.99±0.71 ng/ml) の方が30時間群(0.47±0.31 ng/ml) よりも有意(P>0.05) に高いものの、LHの反応性(GnRH投与2時間後のLH濃度から基底値を引いた値)は両群間(30時間群:5.49±3.64 ng/ml;48時間群:7.40±4.10 ng/ml)に有意差はなかった。以上より、PGと2nd GnRH投与の間隔として30時間は48時間の場合と同等の結果が期待できること、いずれの処置においても不受胎の原因の多くは受精障害あるいは定時AI後48時間以内の胚死滅であることが示唆された。
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Japanese Society of Large Animal Clinics / Large Animal Clinic Research Association | 論文
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